GREETING

ご挨拶

変動地球共生学卓越大学院プログラム長

中村 美千彦
変動地球共生学教育研究センター長
Michihiko Nakamura
大学院理学研究科・理学部 地学専攻

先端知を人間社会へと架橋する、
変動する地球とともに生きる
私たちの挑戦。

日本は世界でも最たる災害大国です。ここ数年を翻るだけでも、台風、大雨、洪水、土砂災害、豪雪、地震、火山噴火など、我が国を見舞った自然災害は枚挙に暇がありません。長期的な気候変動による気象災害のリスク(可能性のみならず顕在化も含めて)に対しては、世界の多くの科学者・専門家が警鐘を鳴らしています。

自然災害は、自然界の振る舞いが人命や資産を直接的に脅かすだけではなく、その影響が広域的に連鎖し、暮らしや社会、産業・経済といった領域でさらなる困難や障害を引き起こすところに大きな問題があります。各機能の相互依存の中で伝播し、複合・複雑化する負の波及を最小限にとどめ、人類共通の目標である持続可能な開発を推し進めていくためには、地球・環境、災害への深い洞察力と理解を具え、先端知を人間社会の中での実践へと架橋していく先導的人材が必要です。

『変動地球共生学卓越大学院プログラム※』では、幅広い研究科からなる文理融合教育、民間企業・団体や研究機関との協働による問題解決型の実習、ならびに海外の学術・研究機関と連携した教育を通じて、地球から人間までをシームレスに捉える先見性、高度な知見と柔軟な思考力、コミュニケーション能力などを併せ持つ"知のプロフェッショナル"の育成に取り組んでいきます。博士課程前期・後期を一貫する5年間で、多様な言語と価値観を待つ仲間とともに学び、リアルでタフな"現場"で課題解決力を鍛え、世界をフィールドに研鑽を積むことにより、一人ひとりの可能性が拓かれていきます。国内民間企業だけではなく、大学・研究機関、官公庁、グローバル企業、国際機関が、修了生の活躍の舞台。変動する地球とともに生きる私たちの挑戦が始まっています。

※卓越大学院プログラム(WISE Program(Doctoral Program for World-leading Innovative & Smart Education))各大学が自身の強みを核に、これまでの大学院改革の成果を生かし、国内外の大学・研究機関・民間企業等と組織的な連携を行いつつ、世界最高水準の教育力・研究力を結集した5年一貫の博士課程学位プログラムを構築することで、あらゆるセクターを牽引する卓越した博士人材を育成するとともに、人材育成・交流及び新たな共同研究の創出が持続的に展開される卓越した拠点を形成する取り組みを推進する事業。平成30(2018)年度は13大学15件、令和元(2019)年度は9大学11件が採択された。本学では、本件の他、「未来型医療創造」「人工知能エレクトロニクス」、二つの卓越大学院プログラムが展開されている(2019年12月現在)